メガバシャーモについて【前編】
前回の記事でポケモンを休止すると言ったな、あれは半分嘘だ。
実機をいじることはしばらくしないものの、思いついたアイデアや考察などはしていこうかなと思います。
今回はXY環境も大詰めになり、昨日の社mfで猛威を奮ったボルトランド軸バシャーモ構築が残り期間で爆発的に人気になると思い、これまでバシャーモを使ってきた僕としてもバシャーモについての考察・アイデア・体験を一つにまとめた記事を作りたいと思いました。
完全な自己満足な記事になると思うので暇な方だけ見ていただければ嬉しいです。
記事がとても長くなるので前半はバシャーモの単体としての考察、後半は取り巻きや構築の作り方について解説していこうかと思います。
【種族値】
まず、種族値から確認したいと思います。
バシャーモ及びメガバシャーモの種族値はこうなっています。
バシャーモ | H80 | A120 | B70 | C110 | D70 | S80 | 合計種族値530 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
メガバシャーモ | H80 | A160 | B80 | C130 | D80 | S100 | 合計種族値630 |
メガ進化することによってH以外の種族値が底上げされるようになります。
僕が初めて見たときは高いAに魅力が行きがちだったのですが、改めて見てみるとSの種族値が100になるメリットの方が大きいように思えます。
理由としましては
1、環境トップの採用率を誇るゲンガーをSに補正を掛けなくても抜けるようになる。
2、BW期で猛威を奮った天候依存の構築が激減しSに努力値を割き過ぎなくて済む。
3、少ない努力値でスカーフガブリアスといったスカーフ持ちを抜くことが出来る。
の3つが自分の中で挙げられます。
特にゲンガーに強いメガポケモンというのが少ない上にそもそも現段階のメガ進化ポケモンで対面でメガバシャーモに有利なポケモン自体がいないといっても過言ではないでしょう。
対面上で勝てるのはせいぜいメガガブリアスかメガギャラドス程度でしょう。しかしメガガブリアスは採用する構築がほとんどないこと、メガギャラドスはメガ進化したら格闘タイプが抜群になってしまうので、やはりそれらで対策という形には出来ないでしょう。
加えてメガバシャーモの強みは先程も軽く触れましたが、A160という高いAです。詳しいダメージ計算は後ほど行いますが、これだけ高いAに加えて高火力技、広範囲技が揃っているので簡単に受けることは出来ません。
忘れがちなのがBとDがそれぞれ10上昇していること。10上がるというのは意外にバカにできないほどの数字であって柔らかいイメージのあるバシャーモでも耐えられる範囲が一気に増えます。
Cも20上昇していますが、メガバシャーモを使う上で特殊に努力値を割くぐらいならAやその他の場所に振ったほうが強いので割愛させていただきます。
【覚える技】
メガバシャーモを扱う上で非常に重要なのが技構成でしょう。
一番のポイントは飛び膝蹴りか馬鹿力のどちらかを使用するかどうか。次点で雷パンチか叩き落すかはたまたその他の技かで悩んだ人がいることでしょう。実用性のある技を順に追って解説していきます。
「飛び膝蹴り」 格闘技:威力130 命中率90%
物理技の中でバシャーモの最大火力を出せる技です。物理特化エアームドですら2発耐えるのは30%程の確率しかないほどの高火力で受け出しできるポケモンはクレセリア、ヤドラン、ソーナンス程度といったところでしょうか。
この技のメリットは命中率90%でこれだけの火力を連発できることに加えて受けることができるポケモンが限定されていることでしょう。
反面デメリットとして挙げられるのが
1、ゴースト技に透かされたり10%の外れを引いてしまうとHPの半分が失われること。
2、バシャーモミラーになった時に守るか攻撃技かの択が生まれてしまうこと。
3、2と同様にヒードラン等の相手に守るで透かされることがある。
4、重力下だと発動できない。
の4つがあります。
例としてあり得るのが
こちら(ラスト一匹とする)
技構成:飛び膝蹴り、フレアドライブ、雷パンチ、守る 残りHP80/172 +1加速
相手
技構成:猫だまし、捨て身タックル、冷凍パンチ、地震 残りHP181/181 猫騙しを守るで透かされた後とする。
裏
技構成:シャドーボール、凍える風、鬼火、道連れ 残りHP50/135
この状況になった場合例え加速でこちらがSで上回ってたとしても相手の飛び膝読みゲンガーの交換出しを読んでのフレアドライブか、相手がそれを見越しての地震と読んで飛び膝を打たなくてはいけないかの択が発生してしまう。
これを完全に読むことはオフで口プでもして相手を迷わせるかでもしないと当てる確率はグンと減ってしまう。
こうした択を生む危険性があるので一概に飛び膝が良いとは言い切れない。
「馬鹿力」 格闘技:威力120 命中100%
飛び膝蹴りよりも威力は落ちるものの飛び膝蹴りとはまた違ったメリットが生まれます。
1、ゴーストへの交換読みをするリスクがなくなる。
2、同様に守るで透かされることもなくなる=ミラーで先に加速したほうが有利になる。
3、重力下でも打つことができる。
4、外れることがない(命中回避技アイテムを考慮しない場合)。
の4つがあります。
先ほどの状況で飛び膝蹴りが馬鹿力だったらゲンガーに引っ込められても反動で死ぬことはないし、フレドラを打った際にガルーラに引っ込められても雷パンチでほぼ落とせます。そしてゲンガーにフレドラを打って勝ちというフローが築けます。
逆にどの様なデメリットが今度は出てくるのかというと
1、AとBが一段階下がるので連打が出来ない。
2、Aが一段階下がった状態だと本来倒せるはずの相手が倒せなくなる。
3、Bが一段階下がった状態だと先制技の確定数が変化する。
の三点です。
この三点は共にAとBが下がることによるものですが、その効果は非常に大きいです。
例を挙げると、HB特化輝石ポリゴン2をお互いラスト1匹対面とした場合
バシャーモ:馬鹿力(69.7%〜84.3% )
ポリゴン2:電磁波
↓
ポリゴン2:自己再生
バシャーモ:馬鹿力(47.1%〜56.5% )
といった感じに自己再生連打で粘られて負けるといったパターンが存在します。
ちなみに飛び膝蹴りだと
バシャーモ:飛び膝蹴り(76.4%〜91% )
ポリゴン2:電磁波
↓
ポリゴン2:自己再生(最低でも73.6&程度)
バシャーモ:飛び膝蹴り(76.4%〜91% )
で麻痺を引かなければ勝つことができます。
「フレアドライブ」 炎技:威力120 命中100%
飛び膝蹴りに次いで馬鹿力と同じ威力を持つ高火力技です。
基本的には物理メガバシャーモにおいては採用しない理由がない技です。
「雷パンチ」 電気技:威力75 命中100%
バシャーモの苦手なマリルリ、ファイアローに対して当てれば大きく削ることが出来る。
マリルリに関してはHぶっぱだけならばフレアドライブ+雷パンチでオボンの実を発動させることなく倒せます。
ファイアローに関しては対面ではブレイブバードで縛られてしまっているので交代際に打つしかありません。もしくは相手がラス1でこちらが捨てる状況を作れているならば。
他の使い方としては馬鹿力の所でサラッと言いましたがH4振りのメガガルーラをフレアドライブ+雷パンチで高乱数で落とすことができます。
「叩き落す」 悪技;威力65(持ち物アリで1.5倍) 命中100%
以前自分が使用したバシャナットサンダー(http://d.hatena.ne.jp/vodka_19940324/20140622/1403528405)のような受け出しのクレセリアを削ることとゴツゴツメット等のアイテムを落とすことが出来るのでサイクル戦に強くなることができます。ラティオス程度の耐久ならば余裕で一発で落とせる火力を持ってます。
現環境ではクレセリアでバシャーモを見る構築が減ってきている状況になりつつあると思うので今この技を使っても特別強くはないでしょう。
「ストーンエッジ」 岩技:威力100 命中80%
リザードンやサンダーを処理するのに使える技。
ファイアローに交代受けのタイミングでも打てるのは雷パンチでも同じですが、雷パンチは調整によっては乱数無いし確定耐えされる危険性がありますが、こちらは当たれば確実に倒すことができます。命中80%なので外すリスクもあります。
「守る」 補助技
壁構築以外のメガバシャーモで使わない理由がない技です。
1ターン目の初速の遅さをカバーすることができ、相手の拘り持ちポケモン相手の技を確認したり猫だましを防いだりと役に立つ場面はとても多いです。強いて欠点を挙げるとすれば守るのタイミングで無償降臨を許す可能性があることですが、そこは後続でカバーすればどうにでもできます。
「剣の舞」 補助技
壁展開で全抜きを狙う技になるので守るを切ってでも使うことになります。
以上の技がメガバシャーモが使用する技候補でしょう。
オーバーヒートやめざ氷といった特殊技もありますが、メガバシャーモで使うには必要な努力値が多く肝心の物理攻撃が疎かになってしまうので技構成は出来れば物理一本に絞るのが良いでしょう。めざ氷もあればガブリアス、霊獣ランドロス、グライオンにも強くなれますが、所詮その程度でしか役に立つ場面がないので、それらは後に解説するサポートメンバーで倒していくのが望ましいでしょう。
技構成として候補になるのは以下のパターンでしょう。
1、飛び膝蹴り・フレアドライブ・雷パンチorストーンエッジ・守る
メガバシャーモで基本的に引かずに常に場に居座る型としては飛び膝蹴りを採用することになるでしょう。
ストーンエッジを採用する場合はパーティがサンダーやシャンデラに重くなってしまったりとした場合に採用されます。
2、馬鹿力・フレアドライブ・雷パンチ・守る
くーるじーさん(http://d.hatena.ne.jp/coolg-nittan/20140921/1411294962)その他多くの方が
使用されていたボルトランド軸に入れているメガバシャーモの構成がこちらです。今後はこの型が主流となっていくでしょう。
馬鹿力のAとBダウンの隙を埋めるのがボルトランドであり、馬鹿力のデメリットを綺麗に埋めることができます。
3、飛び膝蹴り・フレアドライブ・雷パンチ・剣の舞
壁構築で使用するバシャーモの型です。
全抜きを目指すならばこの技構成以外ありえないでしょう。
【努力値振り】
技構成も重要ですが、今後増えるであろうバシャーモを使う上で気をつけなければならないのが努力値振りです。
最も重要になってくるのが考えるまでもなくSラインです。ミラーになる可能性も高くなってくるのでできる限りのSは確保することになるでしょう。
しかしながら、Sぶっぱにすればミラーに勝つ可能性は高くなりますが、それは実は自分が既に加速をしていて相手の加速が遅れている状況のみに言えることです。相手が既に加速をしていて自分が遅れていた場合、ASぶっぱの耐久のメガバシャーモはAぶっぱのメガバシャーモの馬鹿力を耐えることが出来ません。
こうした問題もありますが、実は先に馬鹿力を打てたからといって有利なわけでもありません。Hを確保しているバシャーモならば相手の馬鹿力を耐える可能性もあるからです。そうなった場合後攻側が相手のBが下がっているバシャーモを倒すことができます。
このような非常に難しい場面が今後続出する可能性があるので、それを踏まえた上で考察をしていきたいと思います。
以下の努力値はA252振りを除いた256の努力値で実現可能なステータスです。HPは16n-1が、ダウンロード対策が可能ならばそちらを優先していきます。
「Sライン」
通常時 | +1 | +2 | 備考 |
---|---|---|---|
152(252) | 228 | 304 | Sぶっぱ |
147(212) | 220 | 294 | 最速ギャラドス抜き |
146(204) | 219 | 292 | 最速80族抜き |
142(172) | 213 | 284 | 最速ヒードラン抜き |
139(148) | 208 | 278 | 準速85族抜き抜き |
138(140) | 207 | 276 | 準速85族抜き |
136(124) | 204 | 272 | 最速メガバンギラス抜き |
135(116) | 202 | 270 | 最速70族抜き |
134(108) | 201 | 268 | 1加速で最速130族抜き |
上限から下限まではここまででしょう。
次に耐久ラインを見ていきます。
「耐久ライン」
155-100-101(S152)
159-101-102(S147)
159-102-102 or 159-101-103(S146)
165-101-101 or 166-100-100(S142)
168-101-101 or 167-101-102(S139)
169-101-101(S138)
172-100-100 or 171-101-101(S136)
173-100-100 or 172-101-101 or 171-101-102(S135)
この数値がSラインに対して耐久に施されるラインとなるでしょう。
赤字はくーるじーさんのメガバシャーモの実数値で仮に同じ構築、努力値振りで使用されるだろうと考える場合はこの数字を対策として考えましょう。
次にこの耐久ラインでの互いの体力が満タンの状態での意地っ張りA252振りの馬鹿力のダメージを見ていきます。右の生還確率は急所率込での可能性です。
「馬鹿力のダメージ」
155-100(S152)・・・159-187(確定一発)
159-101(S147)・・・156-184(11.72%で生還)
159-102(S146)・・・154-183(11.72%で生還)
165-101(S142)・・・156-184(29.30%で生還)
168-101(S139)・・・156-184(41.02%で生還)
169-101(S138)・・・156-184(41.02%で生還)
172-100(S136)・・・159-187(41.02%で生還)
171-101(S136)・・・156-184(46.87%で生還)
173-100(S135)・・・159-187(46.87%で生還)
S138のラインでの同速対決になると先制したほうが58.98%で勝利できる代わりに41.02%で負けるということになります。
一方Sを136まで引き下げると相手に先制される可能性が高くなるので53.13%で負ける代わりに46.87%で勝てるということになります。
これは「相手に先に加速されてもS138調整の場合よりも5.85%生き残る可能性が上がる」ということでもあり、当然S136メガバシャーモでもS138メガバシャーモ相手よりも先に加速出来れば58.98%の確率で勝利できるということです。
勿論サイクル内でダメージを被弾する可能性もありますしこの関係が崩れる可能性は十分にありますが、HP満タンのメガバシャーモミラーの状況が出来上がってしまった場合の可能性を考慮したらSを下げるということも十分可能です。
以上でバシャーモの単体としての性能の解説、考察を終わります。後半のバシャーモの取り巻きと構築の作り方へと続きます。
ここまで読んで下さりありがとうございました。