メガバシャーモについて 【後編】

まず最初に謝りたいのが、前回の続きを書いてたものの度重なるデータ紛失によって続きを書く気が失せてしまい放置してしまったことです。楽しみにしていた方もいたのに、本当に申し訳ございませんでした。
それでも続きを読みたいという希望の声があったので再び記事を書こうと思い更新しました。なのでざっくりですが順に解説していきます。

バシャーモと組み合わせたいポケモン
バシャーモはアタッカーとしての高い性能がある代わりに苦手なポケモンも数多く存在します。その為、バシャーモと組み合わせが非常に重要となっており、バシャーモ@2の選出をしたいのならば、それに応えた形を組まなければなりません。
まず最初に、バシャーモが勝てるポケモン、条件によっては勝てないポケモン、無理なポケモンを挙げてみます。ここで挙げるポケモンは二か月前のキツネの社mfのKP10以上のポケモンを対象とします。

【対面で勝てる相手】※赤字は加速前提
ゲンガーガルーラバンギラスキノガッサヒードランハッサムナットレイ霊獣ボルトロスルカリオサーナイトパルシェンサザンドラキリキザン

努力値調整や特性、技によっては一撃で落とせない相手】
ボルトロスギルガルドバシャーモライコウクチート、ポリゴン2、ニンフィアクレッフィローブシンフシギバナ、水ロトムエンテイライボルト

【サブウェポンを駆使すれば勝てる可能性のある相手】
ギャラドスマリルリリザードン、サンダー、カイリューラティオス

【予め削らなければ厳しい相手】
ガブリアス、霊獣ランドロスクレセリアスイクン、ピクシー、グライオンカバルドン

【HP1でも残されたら勝てない相手】
ファイアロー


バシャーモの強みは特性「加速」による素早さ上昇であって、本来上から叩かれて一撃で倒されるはずの赤字の相手も一転して有利な状況にすることができます。逆にどれだけ加速しようともHP1でも残されたら勝てない相手はファイアローただ一匹のみです。分かりやすく言えば5世代のローブシンvsバンギラスの関係と言ったところでしょうか。
これらの有利不利のポケモンを考える上で、バシャーモを軸にした構築を組む際の取り巻きに求められる役割は、【サブウェポンを駆使すれば勝てる可能性のある相手】以下のポケモンを基本的に対策することになります。当たり前ですが、バシャーモが厳しいポケモンバシャーモで無理に倒す必要はありません。
まず、取り巻きの最初に候補の上がる役割は「ファイアロー」です。これを分かりやすく対策できるタイプは「電気ポケモン」です。ただし、幾つか注意しなければならないことがあります。それは、
1、ファイアローブレイブバードを受けられる
2、ハチマキフレアドライブを対面で一撃耐えられる
3、ファイアローの後続に簡単に起点にされない
の三点です。
1は当然ですが、2は最近のファイアローフレアドライブ所持率が増えているので、ハチマキ考慮すると、対面で耐えられないのは対策として成り立っていません。3はファイアローを倒しても後続がそのポケモンを起点にしてバシャーモ諸共、倒される危険を防ぐためです。代表例としてはガルーラ、バンギラスルカリオ、ピクシー等。

推奨電気ポケモン
1、ボルトロス(化身)
バシャーモの軸とするべきなのは、XY終期に最も話題となった図太いHBボルトロスでしょう。悪戯心の電磁波挑発によって起点を回避することができ、ガブランドにも有効打を持つことが出来るのでとても相性がいいです。唯一の欠点は回復ソースが持ち物のみという点。ステルスロック入の構築(バンギランドアロー)みたいな形でステロを入れられ続けたらアローが受からなくなるといった立ち回りをしないようなやり方をしなければならない点で注意が必要です。

2、サンダー
僕がよく使っていた相方です。サンダーの利点は単純にHB基調ならばボルトロスよりも数値が高いこと、羽休めという回復ソースが存在することです。ただ、バンギラスの起点になってしまうので、上手く回避するような立ち回りを要求されるので、その点ではボルトロスよりも難しいです。

3、水ロトム
アローのメインウェポンを確実に半減できる点では上二匹よりも純粋に対策しやすいです。ただHPが低すぎるので受けとしての数値が低すぎる点で強いとは言いにくいです。

4、ライコウ
こちらはどちらかというと壁要因としての役割が主流です。なのでアローを対策というよりは強引な勝ち筋を作る役目としての役割がほとんどです。


バシャーモ+電気タイプの組み合わせで次に対策しておきたいのが、「対フェアリーポケモン」です。具体的にはニンフィアサーナイトエルフーン
これらに有効的に対策できるのが「鋼タイプ」です。他にも一貫しがちなドラゴンタイプをカバーできる点でも優秀です。

推奨鋼ポケモン
1、ナットレイ
XYではお馴染みの「バシャサンダーナット」の形。僕もお世話になりました。バシャサンダーで一貫する水タイプの対策もできますし、相性補完はとても優秀です。ただし、めざ炎ニンフィア、気合玉サーナイト等返り討ちにされる可能性はありますが、採用率をどの程度と考えようによっては諦めるということも出来ます()。

2、ギルガルド
ナットレイよりも確実にニンフィアサーナイトの攻撃を受けることができます。ただし地面タイプが弱点となるため、そのケアが必要になってきます。特にケアしておきたいのがガブリアス。鉢巻や剣舞型など構築を破壊される要素を幾つも持ち合わせているので十分ケアしておきましょう。

3、ハッサム
バレットパンチこそが採用理由といっても過言ではありません。正直ハッサムを採用して打った技のほとんどがバレットパンチでした。メガバシャーモということを考えたら鉢巻一択となってしまいファイアローリザードンが重くなる要因になるので、採用する際はくれぐれも注意しましょう。僕の過去の構築は特にリザードンが重いです。


さて、ここまで2タイプを挙げましたが、「バシャーモ+電気タイプ+鋼タイプ」の3つの組み合わせが僕の中ではほぼ確定事項だと思っています。このタイプ相性の代表例が「バシャサンダーナット」や「バシャボルトガルド」の形です。
ここから構築を発展させていくに当たって必要なのは「もう一つの勝ち筋」だと思っています。幾らバシャーモが強いといってもバシャーモだけでは限界があります。なので、「相手によってはバシャーモよりも優れたアタッカー」を採用するべきです。
バシャーモ+電気+鋼で勝てない相手を挙げるとすれば「ヘラクレセドラン」、「バンギランドアロー」、「受けループ」辺り。単体ポケモンでもリザードンマンムー等の地面タイプ全般厳しいです。残り3匹はそれらのポケモンを対策するのを推奨します。KPが余りにも低いポケモンや構築を対策したくないならば多少の妥協はするべきでしょう。それを許したくない人は頑張って美しい並びを考えましょう。

フェアリータイプ
フェアリータイプはバシャーモ+電気+鋼に組み込みやすい優秀なタイプです。一貫しやすい格闘タイプやドラゴンタイプに基本的(絶対じゃない)に強く勝ち筋にもなりやすいです。

1、サーナイト
クレセドランヘラにとにかく強いです。ただそんなのは相手も重々承知してるので当然意識した選出をしてくるのでそこは理解しておきましょう。単純にハイパーボイスサイコショックの火力の高さに加えてトレースで特性をコピーして利用する使い方も出来ます。例えばニャオニクスボルトロスの悪戯心だったり。ただ如何せん脆いので扱いには注意しましょう。

2、ニンフィア
説明不要の眼鏡ハイパーボイスの火力、瞑想眠る型など使い方はサーナイトよりも様々です。こちらはSが遅いので、一発被弾が前提となるケースが殆どなので、場合によってはサーナイトよりも役割をこなせない可能性があります。

3、ピクシー
こちらは無理な相手でも強引に勝つような強さを持っています。正直レートのようなTODによる勝利を狙える条件の対戦ならこのポケモンを推奨します。ただそういった制限がある対戦(オフや大会)では対策枠を出されたら終了ですし厳しいところがあります。特にゲンガナンスのような並びにはピクシーを出すのは自殺行為でしょう。

4、エルフーン
上四匹と比べるとエースとしての役割というよりも、妨害枠としての強さが光ります。単純に対策していないパーティならバシャーモを出さずとも済むでしょう。僕はそんなことするならバシャーモ軸に入れるよりかはエルフーンを軸に組んだほうが良いと思いますが。


地面タイプ
上記のポケモンらでは弱点を突きにくい炎タイプの有効打を持ち、電気タイプの一貫を防ぐ枠とも使えます。

1、ガブリアス
今更語るまでもないその種族値と技の強さ。欠点という欠点は「対策されてるのが当たり前」程度。

2.霊獣ランドロス
ガブとの大きな違いは「威嚇」と「叩き落す」と「蜻蛉返り」と「大爆発」の4点。これを活かさない限りはガブリアスの劣化です。

3、マンムー
ボルトロスに圧倒的に強くミラーにもある程度期待できる。ガッサにも確率次第では勝てる。ただ耐久力が無さ過ぎる上に遅いので、ガルーラの猫捨て身を確実に上から叩き込まれる点では上二匹よりも不安定。


水タイプ
こちらも地面タイプや炎タイプへの打点となる枠。

1、スイクン
6世代では若干弱体化したものの、それでもなおスペックは高い優秀なポケモン。ゴツメHBの零度型か瞑想眠る型がほとんどですが、どちらもバシャーモと組み合わせやすいのでオススメ。問題は零度型の個体を持っているかどうか。持ってない人は改造を使わず、誰かに借りるなどの正しい方法を取りましょう。

2、ゲッコウガ
特性変幻自在によって全ての技をタイプ一致で打てるためピンポイントな対策では最も優秀。ステロ展開には対策が最早当たり前になっているので余り過信してはいけない。最近のルカリオが特殊型ということを考えたら水手裏剣よりも影打ちを推奨したい。

3、マリルリ
こっちは物理方面で強い勝ち筋を作ることが出来る。太鼓型は勿論チョッキを持たせてサイクル戦にも参加できる。その強さ故対策がガブリアス並みに当たり前となっているので気をつけましょう。


ノーマルタイプ
1、ガルーラ
説明不要のXY最強ポケモンの一角。サーナイトを使うか、ガルーラを使うかの二択でしょう。ただこっちはどちらかというとヘラクレセドラン構築に圧力をかけれにくいです。

2、ポリゴン2
クッション役としての性能はトップクラス。特にゲッコウガ辺りを安定して受けれる点では評価したい。なお、僕自身最も苦渋を舐められたポケモンでもあるため使用されるのは実に不愉快。


毒タイプ
1、ゲンガー
みんなご存知「アド取りの翁」。珠ゲンガーで使うもよし、メガしてループ対策に使うもよし。

2、フシギバナ
マリルリでこいつ以上に強いポケモンが思いつかない。ただ技の威力があまり高くないことや中途半端なステータスがネックなため、如何せん対策範囲がピンポイントになりがち。


エスパータイプ
1、クレセリア
物理受けとしてのスペックはXYでも最高級。三日月の舞による再生と勝ち筋を広げやすいのもGood。ただし起点も同時に作られやすいポケモンなので上手く回避する手段を持ち合わせてないと危険。

2、ゴチルゼル
バシャーモの苦手な方面の「潰し」に特化したポケモン。狙い目としてはクレセリア。トリックの弱体化が痛く、ガルーラやバンギラスとの対面を作らないように気をつけたい。


この他にも採用できるポケモンは幾らでもいるでしょうが、あくまで代表例だけを挙げたいのでここまでにします。もし僕がもう一度バシャーモ軸を組むとしたらこの中のポケモンのみを選択します。なぜならバシャーモ軸は実際のところ採用できるポケモンはある程度限定されてくるためです。「バシャーモ」というポケモンの苦手なところを対策すればいいだけなので、基本的にはそこさえ気をつけていれば構築は組めていきます。例えばバシャーモ軸の中にヘラクレセドランを入れる理由はありません。それは「ヘラクレセドラン」という勝ち筋が強いのであって、バシャーモと組み合わせても大した強さは得られません。寧ろタイプ相性が被ってしまい穴が広がっていくばかりです。


●構築例
1、バシャーモ(軸)
2、サンダー(ファイアロー対策)
3、ナットレイ(フェアリー、地面、水対策&トリルエース)
4、ガブリアス(電気、炎対策)
5、ニンフィア(ドラゴンの一貫ストップ&トリルエース)
6、クレセリア(クッション&トリル三日月)
http://d.hatena.ne.jp/vodka_19940324/20140622/1403528405
僕が第28回シングル厨で使用しベスト4に入ったバシャサンダーナットの形です。
割と綺麗に組めた自負はありますが、この構築はクレセクチート及び月光乱舞系の構築が絶望的に重いこと、受けループの対策が0なこと、催眠術対策が皆無といった幾つもの不安要素を重ねています。その為、短期的な勝負では勝てる可能性は高いものの、長期的に勝つことはまず無理でしょう。そういう意味ではオフや大会向けの構築といった感じでしょうか。


バシャーモ(軸)
化身ボルトロスファイアロー対策&妨害枠)
霊獣ランドロス(クッション役)
ギルガルド(フェアリー対策)
サーナイト(クレセドラン対策&妨害枠)
スイクン(バンギランドアロー対策&炎、水対策)
http://d.hatena.ne.jp/coolg-nittan/20140921/1411294962
くーるじーさんがキツネの社mfで使用した構築。HBボルトロスをクッションに様々な構築を相手にすることができ、バシャーモの強さを引き立てた素晴らしい構築だと思う。
ボルトランドから始まった派生系だが、非常に強い並びを作りやすいので是非オススメしたい。


【まとめ】
改めて僕の中で一つ確実に言えるのは「バシャーモ+電気タイプ+鋼タイプ」の軸がバシャーモ軸の中で特に優れているということです。基本的にこれを軸に周りを補完していけば問題ないと思っています。
勿論幾ら6匹完璧な形で組めたと思っても負けるときは負けるし、勝てない相手が見つかる時もあるでしょう。でもそれは「構築が悪い」ではなくて「運がなかった」で済ませるべきでしょう。勝率100%の構築なんて存在し得ないのだから。オフや大会で優勝できた人の構築にも必ず欠点はあります。その日は「たまたま」その欠点に当たらなかったのであって、その人は「運が良かった」ということです。準決勝や準々決勝で負けた人の構築の方が綺麗で強そうと思うときがあるのはそういうことです。
最後になりますが、かなり大雑把な記事になってしまい本当に申し訳ありませんでした。何か質問があれば僕のTwitter(@vodka_0324)かこの記事にどうぞ。
ここまで読んで下さりありがとうございました。